月面基地からの手紙

作曲家・BGMクリエイター「poco moon」のブログ

曲の完成直前に向き合った最後の調整

こんにちは。作曲家のpoco moonです。
前回の記事の最後で「完成直前の調整について書こうと思います」と書きました。
pocomoon.hatenablog.com

今回はその続きとして、仕上げの段階で向き合っていた作業について、少しお話ししてみたいと思います。いよいよ音源も最終工程。その中でも、私がいちばん大変だと感じるのがマスタリングです。

マスタリングとは、最終的な音量や音質を整える作業のこと。普段みなさんが聴いている音楽も、ほぼすべてこの工程を経て世に出ています。最終的な印象を決める作業なので、ここでの調整によって曲のクオリティが決まると言っても、言い過ぎではないと思っています。

一般的に人の耳は、音が大きいほど「迫力があって良い」と感じやすいものです。そのため、20年ほど前には音圧競争と呼ばれる流れが強くなり、できるだけ大きな音量でリリースすることが定番でした。

ただ、音量には限界があります。無理に大きくしすぎると、ダイナミクス(音の抑揚)が失われてしまい、音楽的な変化を感じにくくなるという欠点もあります。

最近は、このダイナミクスを大切にする傾向が強くなってきました。実際、Apple MusicやSpotifyで曲を聴いていると、楽曲ごとに音量がかなり違うことに気づく方もいるかもしれません。このあたりには「これが正解」という答えがなく、何を基準にするかで判断が大きく変わってきます。

よく言われるのは、「自分が好きなアーティストの音を参考にすること」。私は [.que]さんの音楽がとても好きなので、Apple Musicで聴き比べながら、音量や質感を少しずつ近づけていきました。

何度かやり直しを重ねて、ようやく音源は完成!これからTuneCore Japanに登録して、3月のリリースを予定しています。

制作の終盤になってから気づくことや、やり直したくなるポイントは、毎回少なからずあります。でも、そうやって調整を重ねる時間も含めて、今はこのプロセスそのものを楽しめている気がします。リリースされたら、ぜひ聴いてもらえたら嬉しいです!

制作日記 #2|完成間際にエンディングを伸ばした話

こんにちは。作曲家・BGMクリエイターのpoco moonです。前回は、制作途中の様子を動画で載せて、一緒にプロセスを楽しんでもらいました。今回はその続きのお話です。pocomoon.hatenablog.com

音楽制作には、大きく分けて2つの作業があります。「作曲」と「編集」です。作曲の中には編曲も含まれていて、どんな楽器の音色を使うか、どんな音を加えていくかを考えていく工程になります。いろいろ試せる段階なので、とてもクリエイティブで、個人的にはいちばん楽しい部分です。

一方で編集は、音をバランスよく並べて、聴きやすく整えていく作業。いわゆるミックス・マスタリングの工程ですが、これが本当に難しい。作曲の段階から何度も聴いているので、「何が正解なのか分からなくなる…」という状態に陥りがちです(笑)。

ここでは客観性がとても大切になります。休憩を挟みながら、できるだけ「初めてこの曲を聴く人の耳」になって、違和感がないかをチェックしていく。どちらかというと、職人的なスキルが求められる部分かもしれません。

昔は、作曲と編集をそれぞれ別の人が担当することも多かったのですが、今は作曲・編集ソフトの普及によって、作曲者がすべてを一人で行う“マルチプレーヤー型”が当たり前になってきました。

私も基本的に、すべての工程を一人で行っています。耳を休めながら作業を進める中で、「正解」を探してネットや本の情報を見ることもありますが、最終的に頼りにするのは、やっぱり自分の耳です。

今回の曲では、ミックスの段階で「演奏を考えた時にエンディングが少し短いかも?」と感じるようになりました。そこで、もう一度オーディオを書き出して作り直すことに。

やってみて初めて気づくことも、たくさんあります。作業としてこなすのではなく、「こうしたら面白い音になるかも」という好奇心を持ち続けること。それは音楽制作に限らず、どんな仕事にも共通することなのかもしれません。

マンネリ化しないように、このプロセス自体も面白がりながら、これからも曲を作っていきたいなと、最近あらためて感じています。

次回は、仕上げの段階で気づいたことや、完成直前の調整について書こうと思います。

演奏するBGMから生まれつつある新しいインスト

こんにちは。作曲家・BGMクリエイターのpoco moonです。
今日は前回の記事の続きのお話です。
pocomoon.hatenablog.com
今、新しいインスト曲を制作しています。今までは「この映像に合う曲を作ろう」、そんな風に用途やシーンを思い浮かべながら音楽を作ることが多くありました。でも、今回制作している新しいインスト曲は少し違います。

自分が実際に演奏している姿をイメージしながら作っている曲です。空を見上げたとき、鳥が上昇気流を見つけて、くるくると円を描きながら高度を上げていく姿を目にしました。その光景を見て「こんな風に自分もチャンスを見つけられるようになりたい」、そんな気持ちが自然と音になっていきました。

普段はBGM制作が中心なので、どうしても「いつもの流れ」や「慣れた音色」に頼りがちになります。今回はそこから一歩離れて、メロディそのものにしっかり向き合い、演奏していて気持ちのいい、自分が聴いて「かっこいい」と感じられるサウンドを目指しています。ポジティブでクリーンなエレクトロニカの楽曲です。

制作途中ですが、DAW画面と音の雰囲気が伝わるように、スマホでラフに録音した映像を載せてみます。音が出るので再生の際は音量にお気をつけて🎧


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まだ制作途中ですが、この曲もいずれ音楽配信で、みなさんに聴いてもらえるように仕上げていくつもりです。演奏するBGMから生まれつつある、新しいインスト。完成までの過程もこのブログで紹介するので、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

演奏するBGMに向き合い始めた話

こんにちは。作曲家・BGMクリエイターのpoco moonです。今日の話題は「演奏するBGMに向き合い始めた話」。

これまで、たくさんの曲を書いてきました。その多くは、映像やWebのBGMとして使われることを想定した音楽です。現在もAudiostockやSTORESなどで販売をしています。

以前テレビをつけたら、偶然お正月のグルメ番組で自分の曲が流れてきたことがありました。誰かの生活の中に、自分の音楽がそっと存在している。作り手として、本当に嬉しい瞬間でした。

演奏活動については、相方とポップスのユニットを組み、数年前から都内のイベントなどでオリジナル曲を演奏してきました。最近は演奏のあり方や音楽との関わり方について2人で話す機会が増え、現在は演奏活動を少しお休みしています。今は音楽制作業を中心に活動しています。

そんな中で最近、その場の空気や時間に合わせて音楽を演奏することに強く惹かれるようになりました。例えば、ライブや展示、カフェのような空間。音楽は主役になることもありますが、空間に溶け込み、背景としてそっと寄り添う存在でもあると思っています。お茶をしていたり、誰かと話をしていたり。その時間を、少し離れたところから後押しするような音楽。それがとても心地よいものだと、自分自身も感じるようになりました。

音楽を長く続けていく上で、「どんな関わり方をするか」はとても大切だと、最近よく思います。個人的に、素敵な関わり方をしていると感じるアーティストが「宮内優里」さんです。図書館の館内BGMや読書のための音楽など、音楽と人々の暮らしが優しくリンクする空間で音を奏でている印象があります。

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こんな風に「生きているBGM」ができたらいいなと、最近思うようになりました。以前紹介した、エレクトロニカアンビエントの音楽は、もともと空間との相性がとても良いジャンルだと思っています。ただ音源を流すだけではなく、その場で奏でる音楽として届けてみたい。そんなことを今は考えています。

最近は、まずは映像でBGMの演奏映像がアップできるよう、同期演奏の練習をしています。nanopad2のボタンに機能を割り当てることも始めました。まだ試行錯誤の途中ですが、直感的に操作できるよう、ボタンにシールを貼って整理しています。こうした小さな準備も含めて「演奏するBGM」を形にしていく時間を今は大切にしています。


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エレクトロニカってどんな音楽?

こんにちは。作曲家・BGMクリエイターのpoco moonです。今日のテーマは「エレクトロニカってどんな音楽?」です。

エレクトロニカとは?

エレクトロニカとは、電子楽器やデジタル技術を用いて制作される、リスニング向けの電子音楽の総称を指します。……と言われると、少し分かりづらくて、なんだか難しそうな音楽という印象を持つかもしれません。

でも実は、映画やCM、YouTubeなどの映像の背景で、知らないうちに何度も耳にしている音楽でもあります。映像をそっと支えている、そんな存在です。

エレクトロニカを一言で表すと、「歌わないポップス」だと私は思っています。歌詞はありませんが、はっきりしたメロディがあり、感情やメッセージもしっかり込められています。普段聴いている歌もののポップスと、本質はそれほど変わりません。

私とエレクトロニカ

以前の私は弾き語りをしていました。ギターを弾き、自分で書いた歌詞とメロディを歌う、いわゆるシンガーソングライターのスタイルです。そこを経て、今から5年ほど前に、インスト音楽(特にエレクトロニカ)の魅力にハマりました。言葉を使わず、楽器のメロディで歌うという感覚です。

言葉がないからこそ、聴く人それぞれが自由に想像できる余地があります。また、インストの音楽は言葉の壁を越えるため、世界中で聴いてもらえる可能性も広がります。自分の作ったエレクトロニカの音楽が、地球の反対側で誰かの日常に寄り添っている。それは本当に嬉しいことです。

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どんなときに合う音楽?

エレクトロニカは「さあ、聴くぞ」と身構えて聴く音楽というよりは、日々の生活の中に自然と溶け込む音楽だと思っています。

・一人で作業している時間
・掃除をしているとき
・考えごとをしているとき
・ゆっくりお茶をしてリラックスしているとき

音楽だけをじっくり聴く時間でも成立しますが、行動をそっとアシストしてくれる存在でもあります。確実にその時間の雰囲気を変えてくれる。それが、このジャンルの魅力です。

好きなアーティスト

私がエレクトロニカを好きになったきっかけは、YouTube[.que]さんの音楽を聴いたことでした。とてもクリーンなサウンドで、心が洗われるような感覚があり、気づくとずっと聴いていられる音楽です。

さまざまな場所で演奏活動もされていて、長く活躍されているアーティストでもあります。私はまだ生演奏を聴いたことがないので、いつかぜひ直接音を浴びてみたいと思っています。

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エレクトロニカは生活の音楽

エレクトロニカは、個人的にはニュートラルな音楽だと感じています。生活の中でふと必要になる瞬間がある。静かだけれど、いなくなると少し寂しい。そんな距離感の音楽として、私自身これからも作り続けていけたらと思っています。ぜひエレクトロニカの音楽を好きになってもらえたら、とても嬉しいです。

このブログでは音楽の話や制作のこと、日々感じていることを、少しずつ綴っていきます。よかったら、また覗いてもらえたら嬉しいです。

1月の記録 | 写真と音の実験

こんにちは。作曲家・BGMクリエイターのpoco moonです。1月があっという間に過ぎていきました。昨年末に急な仕事が入ってから、慌ただしい時間を過ごしていて、振り返ると、あっという間の1ヶ月でした。忙しさの中にもありがたさを感じつつ、今年は仕事もプライベートも、視野を広げながら進んでいけたらと思っています。

写真と音楽を重ねてみる、という実験

1月からSNS (特にInstagram)に出かけた場所の写真を載せて、そこにミュージックスタンプで自分のBGMを貼る、ということを新たな試みとして始めました。やってみてまず感じたのは、自分の曲なのに、少し新鮮に聴こえるという感覚でした。

写真があるだけで、音楽は「作品」から「風景の一部」になります。制作中はどうしても、構成や音のバランス、完成度を気にしてしまうけれど、写真と一緒になると、その音がどんな空気を持っているのか、どんな場所に馴染むのかを、少し距離を置いて感じられます。それは、自分の音楽を他人の視点で見直すような感覚でした。

もうひとつの理由は、もしその投稿を見て「この音楽いいな」と思ってもらえたら、実際に使ってもらえるきっかけになったらいい、という素直な気持ち。音楽は、ただ聴かれるだけでなく、写真や映像、日常のワンシーンに寄り添ってこそ生きるものだと思っています。「こういう使い方もできる」という提案として、写真と一緒に音楽を置いてみました。

結果的に、これは発信というより、自分自身のための発見の時間にもなっています。この音はこんな景色に合うんだ、とか、この曲は朝よりも夕方のほうがしっくりくるな、とか。そうした気づきは、次の制作にも確実につながっていきそうです。

📸 1月のInstagram投稿

1月にInstagramに投稿した「出かけた場所の写真に、自分のBGMを重ねる」という試みの記録。


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こうして並べてみると、写真や場所が変わるだけでBGMの印象がずいぶん違うことに気づきます。制作しているときには見えなかった曲の表情が、写真を通して立ち上がってくる感覚があって、この試みは、自分にとっても大事な確認作業になっています。

もし、この投稿をきっかけに「この音楽、使ってみたいな」と思ってもらえたら嬉しいし、そうでなくても、音楽と風景の関係を考える時間として、しばらくはこの形を続けていこうと思います。

1月を終えて

派手なことはしていないけれど、少しずつ視点を増やしていくことはできた1ヶ月でした。月ごとにこうして記録を残していくことで、そのときには気づかなかった変化や積み重ねが、あとから見えてくる気がしています。2月もまた、無理のないペースで、音を作り、試し、記録していきたいです。

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ごあいさつ


はじめまして。作曲家・BGMクリエイターをしている「poco moon (ポコムーン)」です。

普段はエレクトロニカアンビエントを中心としたインスト楽曲を制作し、YouTubeやAudiostockなどで音楽の公開・販売をしています。また、ギターやDTMを教える音楽講師もしており、音楽に関わる仕事をしながら日々を暮らしています。

今回、ブログのタイトルを「月面基地からの手紙」と名付けました。このタイトルを見て、「なんだろう?」と思われた方もいるかもしれません。

私の名前である「poco moon」は、直訳すると「小さな月」。昔から太陽よりも穏やかでやさしい月の光が好きでした。自分の作る音楽も、聴く人にとってそんな存在であってほしいという思いから、この名前を付けました。

自分が発信する音楽や言葉は、内面からにじみ出るもの。いわば、秘密基地のような存在です。私にとっての秘密基地は、月面基地。そんな場所からそっと手紙を送るような気持ちで、このブログを書いていけたらと思い、「月面基地からの手紙」というタイトルにしました。

今はAIで簡単に文章が書ける時代ですが、ここでは私自身の言葉や思いを大切にしながら、できるだけ丁寧に綴っていきたいと考えています。もし少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ音楽も聴いてもらえたら嬉しいです。これからどうぞよろしくお願いします。